広告の反応率を高めていくために行われるテストとして、もっとも一般的なものが A/B テストでしょう。
A/B テストとは、A パターンの広告と B パターンの広告を見込み客に見せて、どちらの方が反応が高いかを検証するテストのことです。
結局のところ、作った広告が成功するかどうかは、実際に広告を出稿して見込み客の反応を確かめないことには誰にもわかりません。ですので、このような A/B テストを実施して広告の効果を確かめ、より反応率の高い広告を作っていくのです。
A/B テストの目的は、より反応の出る広告を作ることです。A パターンの広告と B パターンの広告をテストして検証し、反応の高かった方を次は C パターンの広告とテストして検証します。
この作業を繰り返し、広告をより反応率の高いものにしていきます。

広告媒体によって方法が異なります。
例えばウェブ広告の場合は、Google の提供している無料のサービス「Google アナリティクス」を使えば簡単に A/B テストを実施できます(具体的な方法は後述します)。
チラシや DM などの紙媒体の場合は、申込フォームに広告パターンが分かるように特定のコードを記載しておくことで計測できます。広告パターン別に電話番号を変えておく方法もあります。
A/B テストをする上で、いくつか注意してほしいことがあります。
1 度にたくさんの項目をテストしようとしてはダメです。
例えばヘッドラインと保証と、申込ボタンのデザインを変えたパターンで A/B テストをしたとします。結果、B パターンの広告の方が成約率が 2% 高くなりました。では、何が要因で 2% も成約率が上がったのでしょうか?
分かりませんよね。判断できません。
ヘッドラインだけを変えていたら 1% 反応が下がったかもしれません。一度に複数の項目をテストすると、どの変更が影響して反応が上がったのか、もしくは下がったのか分からなくなります。ヘッドラインは同じで保証だけ変えていれば、3% 成約率が上がったかもしれないのです。
ですので、A/B テストは地道に 1 つずつ検証していきましょう。
では、どのような項目をテストしたらいいのでしょうか?
実際のところテストしようと思えばいくらでもテストできます。例えば、ヘッドラインのコピー、商品名、価格、文字の大きさ、フォントのスタイル、色、写真の有無や写真の違い、レイアウトなどなど、、、大きな項目だけでもまだまだあります。
さらに細かく見ていくと、ヘッドラインの文字の大きさ、本文の文字の大きさ、ヘッドラインの文字の色、本文の文字の色・・・と、挙げていけばキリがなく、すべてを 1 つ 1 つテストするのは現実的ではありません。
目的は反応の高い広告をつくることですから、反応を左右する要因として影響力の大きいポイントから優先的にテストしていきます。
具体的には、以下の要素をテストしていくといいでしょう。
つまり、ヘッドライン A とヘッドライン B とヘッドライン C の 3 つのパターンを同時にテストするということです。
変更している要素は一箇所なので、どのヘッドラインが最も反応が高いか判断はできます。一度に 3 つのパターンを検証できるので効率もいいです。
ただし、十分なアクセスを見込めなければ信頼できる数字が集まるまで時間がかかってしまいます。その点に注意すれば 1 つの要素で複数パターンを同時にテストするのもありだと思います。
Control(コントロール)とは、現状で最も反応の高い広告のことです。その広告と戦わせるという方法。つまり、今コントロールとなっている広告と別の広告をテストして、どちらの反応が高いかを勝負する方法が、Beat The Control です。
この場合、広告の一部を変えて A/B テストする方法とは異なり、全く異なる訴求やオファーのパターンでテストすることになります。いうなれば、コピーライター A が作ったコントロールとなっている広告 A と、挑戦者であるコピーライター B の作った広告 B を A/B テストする、ライター同士の戦いなのです。
広告を作るライターが異なるため、できあがる広告も全く異なるものになります。そのため、ヘッドラインだけ検証するというようなテストにはなりません。
アメリカではコピーライターが仕事を取る方法として知られていて、勝ったら私の広告を使ってくれ、その場合は報酬をくれ、というわけです。広告主にとってはリスクを最小限に抑えて売れる広告が手に入るかもしれないので嬉しいオファーですよね。
さて、ここからは Google アナリティクスを使ったウェブ広告の A/B テストの方法を説明していきます。
Google アナリティクスのアカウント設定の方法は省略します。また、WordPress で A パターンと B パターンのランディングページをつくったと仮定して説明を進めていきます。
WordPress のカスタマイズ方法がわからずテスト設定ができない方はこれで解決できると思います。
まずはオリジナルとなるパターン A の広告(ランディングページ)を用意します。WordPress の投稿や固定ページでランディングページを 1 つ用意してください。
そしてパターン B の広告(ランディングページ)を用意します。この時、パターン A のページを複製してテストしたい要素を一部変更すれば OK です。
WordPress でページを複製するには、Duplicate Post というプラグインを使います。
そしてもう 1 つ、サンキューページが必要です。
サンキューページとは、申し込み後に表示されるページのことで、登録完了ページや決済完了ページのことです。このページへアクセスがあれば成約したと判断されるため、コンバージョンの計測ページとして登録する必要があります。
基本的にサンキューページはテストするページと同一ドメイン上に用意します。
別ドメインにサンキューページを用意した場合、クロスドメイン設定を行えば問題なくコンバージョンを計測できますが、追加の設定がややこしので避けたほうが無難です。
どうしてもサンキューページを別ドメインにしなければならない場合は「クロスドメイン設定」などでググってください(別ドメインも自分が所有している必要あり)。
今回は以下の URL でテストの設定を行うと仮定します(アクセスしても何もありません)。
Google アナリティクスの【アナリティクス設定】から【目標設定】を行います。


目標とする行動が何なのかを選びます。

目標に分かりやすい名前をつけましょう。タイプを選択する部分では【到達ページ】を選択します。

到達ページにサンキューページを指定します。今回はサンキューページを【http://example.com/lp-thanks】と仮定したので、【/lp-thanks】と入力します。

全ての入力が終わったら【保存】をクリックします。以下のようなページに移動すれば成功です。

目標設定が終わったら、いよいよ A/B テストの設定です。
Google アナリティクスのウェブテストという機能を使います。

何のテストなのか、分かりやすく名前をつけておきます。テストの目的は先ほど設定した目標を選択します。

テストするページを設定ます。オリジナルの方にコントロールとなっている LP の URL を、パターン1の方にテスト対象となる LP の URL を入力しましょう。いずれも http:// 部分は省きます。
今回の設定では、オリジナルページが【example.com/lp-a】、パターン1は【example.com/lp-b】になります。

STEP3 の (3) でテストするページを設定しましたが、その後にテスト用のコードを埋め込む必要があります。
埋め込む必要があるコードは 2 つ。
アナリティクスの解析コードは、すでに Google アナリティクスを使用しているなら埋め込み済みのはずなので、特別何もする必要はないでしょう。
新しく設定するのはウェブテスト用のコードです。
【手動でコードを挿入】をクリックすると、コードが表示されます。このコードをテストするページのうちオリジナルページの方に挿入します。


HTML ファイルでつくられたウェブページなら、単純に指示通りに該当ページのファイルにタグを埋め込めばいいのですが、WordPress の場合は 1 つの header.php ファイルが全ページの <head> に使われるため、編集に一工夫必要です。
ここの説明がピンとこない場合はこちらを読んでみてください。
https://presentnote.com/wordpress-php-for-beginner/
また、以下の操作をする前に子テーマをつくっておいてください。編集作業は全て子テーマ内のファイルで行います。
https://presentnote.com/child-theme-customaize/
まず、WordPress の子テーマに親テーマの header.php を複製して用意しておきます。そして、この子テーマ内の header.php を編集します。
オリジナルページの方の ID を確認します。ID の確認方法は、WordPress の管理画面からオリジナルページ(投稿、もしくは固定ページ)の編集画面を開いて、その時に表示されている URL を見ると分かります。
【?post=◯◯】となっている箇所の番号が ID です。この ID をメモしておきましょう。
ウェブテスト用コードの挿入が必要なのはオリジナルページの方だけなので、条件分岐タグを使って挿入します。
https://presentnote.com/how-to-use-conditional-tags-to-excerpt/
簡単に言うと、オリジナルページが表示されたときだけウェブテストのコードが埋め込まれるように条件付けを行うということです。
使用する条件分岐タグは以下になります。
ランディングページを【投稿】で作成した場合
<?php if (is_single( '投稿ID' )): ?> <!-- テストコード --> <?php endif; ?>
ランディングページを【固定ページ】で作成した場合
<?php if (is_page( '固定ページID' )): ?> <!-- テストコード --> <?php endif; ?>
テストコードを条件分岐タグで囲ったら、それを <head> 内に記載します。場所は <head> の直後です。
ID=523 の投稿が表示された場合に、ウェブテストのコードを出力する(表示させる)設定
<head>
<?php if ( is_single( '523' )): ?>
<!-- Google Analytics Content Experiment code -->
<script> <!-- 省略 --> </script>
<!-- End of Google Analytics Content Experiment code -->
<?php endif; ?>
編集が終わったら保存し、子テーマにアップロードして header.php を上書きします。これでコードの設定は完了です。
テストコードの埋め込みが終わった後に【次のステップ】をクリックすると、コードが正しく埋め込まれているかのチェックが始まります。
通常の Google アナリティクスの解析コードと今埋め込んだテストコードの 2 つのチェックし、問題なく埋め込みができていればチェックマークが表示されます。その後【テストを開始】をクリックすれば無事 A/B テストが開始されます。
どちらか一方に不備があれば教えてくれます。解析コードやテストコードが正しく埋め込まれているか確認し、修正をしたら【再検証】をクリックしてください。それでもう一度チェックしてくれます。
テストが開始されると、アナリティクスのウェブテストからテストの状況が確認できます。

基本的にはどちらか優位なパターンなのか、Google アナリティクスが勝手に判断します。多腕バンディット方式というものを採用しているようで、必ずしも各々のパターンに均等にアクセスが割り振られるわけではありません。細かい調整を自動で行い、できるだけ短期間で優位なパターンを見つけるために採用されているテスト方式とのことです。
十分な検証ができれば、「優位なパターンが見つかりました」ということで自動的に A/B テスト終了になります。
ですが、どちらが優位なのかなかなか判定されないケースもあります。オリジナルを上回る可能性という部分が 95% 以上であることが統計的にも確かな結果となるようですが、必ずしもこの条件を満たせるわけではありません。
広告費もテスト期間も有限である以上、中途半端な結果に終わることもあります。仮にテストした B パターンの方が成約率が高かったとしても、オリジナルを上回る可能性が 20% だとしたら、誤差だと考えられるでしょう。その場合は、テストを延長するのも 1 つの手ですが、明確な差が出ていないので、新たな C パターンを作ってテストし、有意差が確認できるまで改善・テストを繰り返した方がいいと思います。
以上が A/B テストの概要と、Google アナリティクスのウェブテストを使用した A/B テストの方法についてです。
ダイレクトレスポンスマーケティングで使用する広告はつくったら終わりではありません。広告の完成がスタートです。テストを繰り返して広告の反応率を高め、売れる広告をつっていきましょう。
個人や集団が製品や価値の創造と交換を通じて、そのニーズやウォンツを満た社会的・管理的プロセスである。
— フィリップ・コトラー
マーケティングの究極の目標は、余計な売り込みを不要にすることだ。
— ピーター・ドラッカー
顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。
— AMA(American Marketing Association)
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的な活動である。
— 社団法人日本マーケティング協会
マーケティングに関する言葉は溢れ返っています。最近の流行はニューロ・マーケティングでしょうか。他にも、バイラル・マーケティング、シナジー・マーケティング、コンテンツ・マーケティング、インバウンド・マーケティング、One to One マーケティング、ソーシャル・マーケティング、カスタマー・リレーションシップ・マーケティングなどなどの言葉があります。
これらはほとんど全て、マーケティングというよりは広告手法や宣伝手法のことを指しています。マーケッターが自分の独自のマーケティング手法を打ち出そうと新しいコンセプトを考え出した結果です。なので、表面上は何か新しそうで効果を発揮しそうですが、中身はどれも似たようなものだったりします。
例えば、コンテンツ・マーケティングとインバウンド・マーケティングには、特に内容に違いはありません。これらのコンセプトを打ち出した企業がそれぞれ違うだけです。
だからこそ、なおのことマーケティングとは何を指すのかを理解しておかなければ、次々に出てくる “新しそう” な手法に惑わされ、やらなくてもいいことをしてしまうでしょう。
前述で紹介した定義の中で、共通項を見いだすなら、
という部分がキーワードになりそうです。
また、ピーター・ドラッカーは、“ビジネスの目的は顧客の創造と維持だ” と言っていますが、これらを達成するための手段がマーケティングと言えそうです。
価値を提供するためには、それが価値あるものだということを知ってもらわなければならない
ですよね? 裸足で生活する民族へ靴を売ることはできるでしょうか? 当然できません。必要性を感じていないからです。裸足で生活することへの問題意識もありません。価格はもちろん、どんなに良い素材で一流の作り手が造ったものであっても売れないでしょう。
マーケティングは、まず問題意識を持ってもらう活動から始まります。
コピーライターのジーン・シュワルツが、5 段階の商品認知度という考え方を提唱してくれていますが、そこで言うところの Unaware 、つまり商品のことを知らないし問題意識もない、何も知らないという状態から、欲しいという状態にまで持っていくことが必要です。
このプロセスを 1 段ずつ上がっていくことがマーケティングの役割です。これはビジネスの目的の 1 つである顧客の創造を達成するためのプロセスになります。このようなプロセスを経るため、マーケティングとは「教育」であるとも言われます。
さらに、ビジネスの目的は顧客の維持です。商品を売って終わりではなく、リピートしてもらうことが重要になります。リピートしてもらうための活動も、またマーケティングです。なぜなら、価値の提供を行うための活動の一貫だからです。
お客さんは常に何かしらの問題を抱えています。その問題を解決する手段の提供がセールスです。そのセールスを成功させるためには、また問題の認識から解決方法の提示、商品の紹介といったプロセスを得る必要があります。
これこそが、マーケティングにおける “総合的な活動” の意味です。
以上の点からマーケティングとは何なのかを定義してみると、
と言えるのではないでしょうか。
「新しい考え方」とは、自社の商品を受け入れてもらうために、お客さんが前提として持っておくべき情報のことです。
そして、「価値」というのは当然自社が提供するモノのことです。ただし、商品そのものではなく、あくまでも結果や変化であることを伝えていく必要があります。コピーライティングで言うところの「ベネフィット」です。お客さんは商品が欲しいのではなく、その商品を通して得られる結果や変化を求めているからです。
この定義に当てはめてみると、自社は本当は何を売っているのか? 商品ではなく、どんな価値を提供しているのか? そしてそれを伝えるにはどうしたらいいのか、という視点が持てるのではないかと思います。
マーケティングという言葉はとても都合のよい言葉で、これまでに説明してきたように、マーケティングの目的である、“見込み客に新しい考え方・価値を広めるため”のツールとして使われるケースが多々あります。Facebook マーケティングとか、SEO マーケティングなんて言葉はまさにそれで、結局はマーケッターが自分の商品・サービスを売るために造った言葉です。
そういう言葉に惑わされず、本当に必要なマーケティング活動を取っていけるように、しっかりと定義を押さえておいてください。無駄な時間を減らし、本当に結果につながることを実行していけるでしょう。
「高枝ばさみ」はうちにもありますが、残念ながら富裕層ではありません。
富裕層は、出入りの植木屋さんや契約している造園業者に定期的メンテナンスを依頼します。自分で高枝はさみを買って枝を切るなんてことはしないと思います。
専門業者に頼む余裕がないから自分でやっているんです。
日本直販は、(自分の印象ですが…)ヒット商品便りの行き当たりばったりの経営だったと感じられます。
いまのテレビショッピングは、たとえばQVCは、グローバルネットでテレビとネットを使いこなし、商品ラインもピーター、岡田可愛、アンミカといったタレントのブランドや生活全体を網羅した、見栄えのよい商品を揃えており、購入する側の見栄心も満たせるようにしています。
「ただいまお電話が混み合っています」「残りわずかになってまいりました」「今回だけの特別価格です」といったダイレクトレスポンス特有の手法もふんだんに使われています。
サントリー、やずや、わかさ生活など、DRMはみんな定期購入のお客を増やすことで安定をはかっています。そのために無料サンプルや定期的なニュースレターを配布して顧客のファン化をはかっています。
倒産の原因は、金融商品での失敗が大きいと思いますが、そうした競合会社と比べるとあきらかにマーケティング不在だったと言えます。
> コメント全文の確認はこちら
このコメントは、日本直販が倒産したことに関する記事に対して付けられたものです。元々の記事にはこんなことを書きました。
と、、、そう思っていました。
でも、コメントには「富裕層は、出入りの植木屋さんや契約している造園業者に定期的メンテナンスを依頼します」とありました。確かにそうですね。本物の富裕層は自分じゃ手入れしないですよね。じゃあどんな目的があって高枝切りばさみを売っていたのか? どうやら何も無かったみたいです(爆)
でもこれ、とても重要な点です。
大手の通販会社でさえ、ただ商品を売って終わり、ということをやっていたのです。もしかしたらあなたも同じようなことをしているかもしれません。。。どういうことか説明します。
本来通販というのは、リピートしてもらうことで利益を上げます。まずはお客さんを獲得するために商品を売り、その後はお客さんを維持するために商品を売るのです。お客さんを獲得するための商品とは、例えば初回お試し商品や無料サンプル、低価格の商品などです。そして、定期購入につなげたり、さらに別の高額商品(利益商品)をセールスしていくという戦略です。
コメントにもこのように書かれています。
サントリー、やずや、わかさ生活など、DRMはみんな定期購入のお客を増やすことで安定をはかっています。そのために無料サンプルや定期的なニュースレターを配布して顧客のファン化をはかっています。
つまり、リピートによってビジネスの安定を図っているわけですね。そしてリピート率を増やすためにニュースレターの発行や、継続商品、新商品のセールスなどを行っていると、、、。なので、「ただ商品を売って終わり」なんてことをやっていたであろう日本直販は、マーケティング戦略上問題があったと言えるわけです。
そして、実はこの考え方は通販に限らず、あなたのビジネスにも当てはまるのです。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界的権威であるダン・ケネディはこのように言っています。
ビジネスの目的は2つ。顧客の獲得と、顧客の維持。商品をはじめ、その他ビジネスにおけるあらゆる活動は、この「顧客獲得と維持」を達成するための手段に過ぎない。
ほとんどの人は、ビジネスを商品やサービスからスタートさせるので、なかなかこういう発想がないのではないでしょうか? 商品を売ることを目的に集客するわけではないのです。集客するために商品を売るわけです。そうあるべきだと、ダンケネディは言っています。
彼は 40 年ものキャリアがあり、主なクライアントとしては、ニキビケアのプロアクティブなんかが有名どころです。だからこそ、彼のアドバイスは意味があり、そして結果につながります。
お客さんを集めるために商品を売る。お客さんを維持するために商品を売る。そうすると、お客さん視点から始まって、どんな商品を用意すればいいのか? となり、見込み客獲得のための商品アイデアが出てくるでしょう。1 度商品を買ったお客さんが、また買ってくれるためにはどんな商品を用意したらいいか分かってくるでしょう。
当たり前ですが、お客さんがいないとビジネスは続きません。商品がよくても、お客さんがいないと売上も利益も立ちません。売って終わりにはしたくないですね。
裕福な家庭が集まる住宅地において、見込み客の家の前にポルシェを駐車します。そして、家とポルシェがきれいに収まるように写真を撮影します。
これによって、ポルシェと家のツーショット写真が各家庭ごとに用意されます。
撮影された写真を使用して、その場で DM を作成します。各家庭ごとにパーソナライズされた DM がすぐに出来上がるというわけです。
作成した DM はその場でプリントアウトされ、各家庭に配布されます。各家庭には自分の家とポルシェが一緒になって写っている写真付きの DM が届くと言うわけです。この結果、 DM を受け取った家庭の実に 32% もの家庭から、ホームページ経由で試乗の予約があったそうです。
一体どれほどの家庭に配布したのか分りませんでしたが、たった二人のスタッフで行っていたので、それほど多くはないと思います。とはいえ、見ての通りたいしたコストはかかっていないようなので、1件でも成約に至れば十分利益が出るキャンペーンになったでしょう。
車が売れればその後顧客との付き合いも長くなるでしょうから、顧客生涯価値で考えると、とても費用対効果が高いと思われます。
この DM には、こんなキャッチコピーが書かれていたようです。
It’s closer than you think.
つまり、「あなたが思っているよりも身近な存在ですよ」といった感じです。Call to action、つまり行動の呼びかけが書かれていたかどうか分かりませんが、結果的にはこの DM を見た見込み客はホームページに自らアクセスし、予約をするまでに至ったわけです。
この DM のポイントはいくつかあると思いますが、1 つは完全にパーソナライズされた DM だということでしょう。見込み客 1 人 1 人の自宅とポルシェを一緒にした写真を提示することで、ポルシェを手に入れた時の状況がまさにそのままイメージされることになります。
その写真は他の家庭ではなく、完全に自分だけのための写真なわけです。これほどまでに、パーソナライズされたプロモーションをやってのけた、このディーラーやスタッフの行動力には感心するしかありません。
インターネット上で成功するマーケティング活動のほとんど全ては、ダイレクトマーケティングが基礎になっていますが、この形こそがダイレクトマーケティングの行き着く先なのかななんて思います。
もう 1 つ注目したいポイントは、今回のプロモーションがほぼインターネットを使わずに、はがきの DM で行われたということです(試乗の予約にネットを使用)。
インターネットを使うと確かにコストを抑えられ、手間が省け、効率がいいと思います。しかし効率を重視してばかりいると、効果を犠牲にしてしまうことになりかねません。
効率ではなく効果を重視するように強く言っている著名な人物として、ダン・ケネディが有名です。

かくいうぼくも、先日クライアントから依頼されダイレクトメールを作成しましたが、かなり成功したプロモーションになりました。
成約率は 30% とまではいきませんが、7% を超えていましたし、郵送代や印刷代を差し引いても、十分利益が残る内容でした。また、継続課金型のモデルだったので、顧客生涯価値に換算すると、今後どんどん利益が膨らんでいくでしょう。
そのクライアントさんも、サービス自体がネット上のサービスだったため、最初はインターネット上でのプロモーションを希望していましたが、より効果を重視した結果、コストや手間はかかりますがダイレクトメールを送ることにしました。
やはり紙の方がネット上の広告よりゆっくり読んでもらえますし、ポルシェほどではないにしろ、パーソナルな印象を持ってもらえるのが DM です。改めて DM の力を再確認した次第です。
効率を求めると、どうしてもインターネットを使ったマーケティングに偏ってしまいがちですが、見込み客の属性やメッセージの内容次第では、もっともっと泥臭い手法に目を向けてみてもいいのではないでしょうか?