【極論】人が行動する理由はたった2つしかない-お客さんが買ってしまう行動心理とは?-

人に何かを売ろうと思うなら、人がなぜモノを買うのかを理解しておく必要があります。私たちが何か買うとき、そこには満たしたい欲求が存在しています。購買行動という活動以外にも、人と話している時、仕事をしている時、ひとりでいる時なども、常に何らかの欲求に基づいて行動を決定しているはずです。
その欲求こそが購入の本当の理由であり、人間の欲求は大きく2つに分けることができると言われています。
それが、、、

  • 得たい欲求
  • 避けたい欲求

です。
この2つが人間の根源的欲求と言われているものです。人は、“恐怖・不安・苦痛などを避けて、愛や称讃などを得たい” と考えています。
もっと簡単に言えば、“苦痛を避けて快楽を得る”、これが基本的な行動原則です。そしてこれがお客さんの購買行動の動機になります。商品を買うことやサービスを受けることで、避けたいことや得たいことがあるのです。
このページでは、人の購買行動に関わる欲求について詳しく分析し、あなたの広告やセールスに役立つヒントをお届けします。

得たい欲求とは何か?

例えば得たい欲求には、次のようなものがあります。

  • お金
  • 健康(若返り)
  • 愛情
  • 安心や安全
  • 自己の重要感(自分は必要とされる人間だと思える事)
  • 刺激や変化
  • 楽しみ
  • 知識
  • 復讐(見返してやりたい、恥をかかせてやりたい)
  • 役割(地位)やアイデンティティ
  • 簡単

これらの欲求が実際にどのように購買行動につながるのかを、いくつかピックアップして説明したいと思います。

特筆すべき欲求 1. 自己の重要感

自己の重要感というのは、自分は価値ある存在だ、必要とされる存在だということを、周りから認めてもらいたいという欲求のことです。人から認めてもらうために、衣服やアクセサリーを買ったり、車や家を買ったり、何か特定の活動に参加したりします。
この自己重要感はとても強力な欲求です。デール・カーネギー著『人を動かす』の中でも以下のような一説があります。

人間の持つもっとも根強い衝動は、“重要人物たらんとする欲求だ” というのである。

特に、生命維持が担保されている今の社会において、自己重要感を渇望している人はより一層増えていると思われます。同著の中では、“人を動かすには、相手が欲しがっているものを与えることが秘訣だ” とされています。そして相手が欲しがっているものの中でもっとも手に入りにくいものが、自己重要感だという理屈が紹介されています。
相手のことを認める、賞賛する、尊重するといった行為、またはそれらが手に入ることを暗示できるモノが、相手を動かすためのトリガーとして作用するわけです。

筆すべき欲求 2. 知識

知識欲です。人には知らないことを知りたいという欲求があります。これは知識がないことが直接生死に関わるようなことがあった時代の影響なのではないかと思っています。知識欲はそれが満たされるだけでも十分な満足感が得られます。本を読んで新しい知識を得ても実際に行動せずに何も変わらない人が多いのも、知識だけで満足してしまうからです。
さらに、知識には際限がありません。何かを知るということは、自分が何を知らないのかを知るということでもあります。次々の知識の穴が現れてきては、その穴を埋めるために新しい知識を欲します。その穴を埋めるための商品を欲しくなり、次から次に新しいノウハウを買い漁るノウハウコレクターと呼ばれるような人たちは、この欲求で動いていると考えられます。

特筆すべき欲求 3. 復讐

復讐というのは、誰かをぎゃふんと言わせたいとか、悔しくて誰かを見返してやりたいとか、恥をかかせてやりたいとか、このような動機のことです。「いずれ追い抜いてやる」とか、「あいつを使う立場になってやる」とか、「仕事であいつ以上の成果を上げてやる」などの感情が復讐です。
これが購買行動にどうつながるのでしょうか? 例えば、より結果を出すために教材を買おう、セミナーに言ってみよう、コンサルティングを受けよう・・・などなど。
また、成果をあげていることを証明するために、高級車を買って見せつけてやりたいとか、時計やアクセサリであいつより良いものを身につけたいとか、あいつよりいい女と付き合えるように最高級のホテルに誘えるようになろうとか、そういった購買動機に結びつきます(だいぶ男性視点かもしれませんが……)。
いずれにせよ、「悔しい」という感情が動機となって何か行動に駆り立てられたことがあなたにもあるはずです。そして、それがきっかけとなって起業に成功したとか、ダイエットに成功したとか、大きな変化を成し遂げる人もかなりいます。それだけ強力な動機付けになるということです。

特筆すべき欲求 4. 役割・地位・アイデンティティ

役割(地位)やアイデンティティというのは、自分は部長だ、社長だ、先生だ、父親だ、母親だなどといった自己認識が購買につながることを言います。
アイデンティティというのは、心理学で “自己同一性” のことです。「自分はこういう人間だ」と自分自身で思うその人物像こそが、まさにアイデンティティを表しています。そしてそのアイデンティティを満たすために人はモノを買います。
アイデンティティを満たすというのは、例えば「社長ならベンツくらい持っていて当然だろう」と思っている社長が、それを満たすためにベンツを買うという感じです。例えば本を買うという行為にも、知識を得たい、知りたいという欲求以外に、このアイデンティティを満たしたいという欲求が隠れています。
参考に、アメリカ最大の書店チェーン、バーンズ・アンド・ノーブル社の社長の言葉を紹介しておきます。

消費者は自分のイメージを確かにするために本を買って読むのだ。有名な著者の本を買うという人は、その著者との同一性、一体感を求めているのだ。

以上、いくつか分かりにくいだろうなと思う欲求については解説をさせて頂きました。

避けたい欲求とは何か?

そしてもうひとつの避けたい欲求には、以下のようなものがあります。

  • 恐怖
  • 嫌な事
  • 苦労・苦痛
  • 心配・不安
  • 恨みやねたみ

恐怖や苦労、苦痛や不安、心配、全て避けて通りたいですよね。人から恨まれるようなことは避けて通りたいですよね。負の感情を解消するための対策を行ったりトレーニングをしたり、何かものにすがろうとしたりする購買行動です。
また、精神の安定を図るために薬をやったりギャンブルにハマったりというのも、これらの欲求が関わっています。不安を避けたいという欲求が強い人は、人やものにすがろうとするものです。それが特定のものに集約し、買い続けたり、特定の人や集団に依存しお金を落とす理由になります。

失うことほど避けたいものはない

まずは、人間の行動心理として、その動機は “得たい欲求” と “避けたい欲求” の大きく2つに分かれることを押さえておきましょう。その上で、どちらの欲求の方が強いのか? を分っておくことも重要です。得たい欲求と避けたい欲求はどちらの方が強いのか? 同じようなものがあった場合、人はどちらを選ぶのか? ということです。
例えば、100 万円の貯金を失うこと、家族や恋人、大切な友達を失うこと、仕事や立場を失うこと。これらは私たちにとって、とても強いモチベーションになります。
100 万円を得るチャンス。恋人に巡り会える機会。新しい仕事や立場を得るチャンスに比べ、圧倒的に強い動機になるのです。現状を維持したい、今の立場を守りたい、今持っているものを失いたくない、という欲求はとても強力です。
なので、よく広告では恐怖に訴えたり、すぐには手に入らないことをアピールしたりして購買行動を促しているわけです。
あなたがセールスする際も、その商品・サービスを買うことで得られるメリットを強調するのは当然ですが、買わないことで失うものがある、ということを強調することも必要です。この 2 つの側面から、商品・サービスのプレゼンテーションを行うようにしましょう。


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