あなたのキャッチコピーがお客さんに響かない理由-5段階の商品認知度とは?-

ヘッドライン(キャッチコピー)を書く前には、見込み客があなたの商品やサービスのことをどの程度知っているか、ある程度把握しておく必要があります。想像してもらえば分かると思いますが、商品のことを全く知らない見込み客に、「この商品はものすごくいいんです!」「ぜひ買うべきです!」「今なら半額にします!!」と言ったところで、まったく響きません。
当然うっとうしく感じてしまいますよね。
いくら半額だったとしても、たとえ 9 割引きだったとしても、商品のことを全然知らない見込み客にいくら訴えても反応が期待できるはずもありません。値段が安いことを売りにしてそれが響くのは、すでに商品のことをよく知っている人です。
ここで言う “商品のこと” とは、商品名のことだけではありません。その商品が自分に何をしてくれるのか? なぜ必要なのか? どんなメリットがあるのか? などなど、商品の価値や必要性の認識、基本的なスペックに対する知識を既に持っていることを言います。だからこそ、割引をアピールしたときに安いと感じてもらえるのです。

そもそもヘッドライン(キャッチコピー)の目的とは?

ユージン・M・シュワルツ
ヘッドライン(キャッチコピー)は、見込み客と商品をつなぐのが目的です。アメリカのカリスマ的なコピーライター、故ユージン・M・シュワルツも以下のように言っています。

Headline is connection between your market and product

見込み客とつながることのできるヘッドラインは、見込み客の状況に合わせてつくられます。商品をそのままアピールしてもいい場合もあれば、問題点に気付かせるためのヘッドラインもあります。割引価格を打ち出すヘッドラインもあれば、単純に注目させるためだけのヘッドラインもあります。
このように、見込み客の状態に合わせて、ヘッドライン(その後のコピー全体のメッセージ)は変えていかなければいけないわけです。

見込み客の状態に合わせたメッセーを送るためには……?

このように、見込み客が商品やサービスについてどれだけ知っているかによって、伝えるメッセージが変わってくるということが分かると思います。
この、商品やサービスが見込み客にどれだけ認知されているかの度合いに関しては、ユージン・M・シュワルツ(ジーン・シュワルツ)という方が、『商品認知度』というものを提唱しています。
この『商品認知度』を簡単に説明すると、見込み客があなたの商品のことをどれくらい知っているのか、ということを 5 つの段階に分けたものです。商品やサービスのことをよく知っている人からまったく知らない人まで、5 段階の認知度に分かれています。そして、見込み客がどの段階にいるかによって、伝えるメッセージの方向性が変わってくるという事を示しています。
それぞれの段階(ステージ)に合ったメッセージを送る事で、その段階にいる見込み客に響くメッセージを投げかけることができるわけです。
ユージン・M・シュワルツの『商品認知度』の 5 段階は以下のようになっています。

ユージン・M・シュワルツの『商品認知度』

  1. 見込み客は、すでに商品のことを知っているし、欲しいと思っている。
  2. 見込み客は、商品のことを少しは知っているが、欲しいとは思っていない。
  3. 見込み客は、商品の機能を必要としているが、あなたの商品は知らない。
  4. 見込み客は、商品の必要性は感じているが、あなたの商品がその必要性を満たしてくれることに気づいていない。
  5. 見込み客は、商品を全く知らない。欲しいとも思っていないし、その必要性も感じていない。

以上が『商品認知度』と呼ばれるものです。
1 の段階から 5 の段階にいくにつれ、商品の認知度は下がっていきます。冒頭のように、商品の認知度が1 の場合は、割引価格や商品名をキャッチコピーに使うだけでうまくいくでしょう。しかし一方で認知度が 5 に近づくにつれ、商品名なんかでは反応はとれなくなるし、価格をアピールしてもメリットを感じてもらえません。

ステージ1.
すでに商品のことを知っているし、欲しいと思っている

この段階のお客さんは、既に商品に対して一定の知識があります。商品名を知っている、価格帯を知っている、機能やメリットを分かっているなど……。さらに必要性も感じていて、商品を欲しいと思っています。ですので、後は商品をはっきりと分かりやすく示すことや、割引などで買いやすくしてあげることが必要になります。

例)(商品名)50%OFF!しかも送料無料!

ステージ2.
商品のことを少しは知っているが、欲しいとは思っていない

この段階のお客さんは、商品のことを知っているにも関わらず、欲しいと思っていません。つまり商品に価値を感じていません。ですので、商品を買うことによる具体的なベネフィット(メリット)を伝えたり、購入後のイメージを膨らましてあげることが大切です。その商品を買うことでお客さんの未来をどう変えるのか? ということをイメージさせてあげる必要があります。

例)(商品名)なら通常のランニングマシンよりカロリー消費量が最大で79%多くなります

ステージ3.
商品の機能を必要としているが、あなたの商品は知らない

この段階のお客さんの中では欲求がぼんやりしています。なので、まず欲求をはっきり明確に示してあげることが必要です。欲求に気付かせてあげるわけです。そのためには、問題の認識をもってもらったり、解決方法をはっきりと示すことです。

例)あなたは就職面接でこんな間違いをしていませんか?

ステージ4.
商品の必要性は感じているが、あなたの商品がその必要性を満たしてくれることに気づいていない

この段階は 3 つめのステージと似ています。こちらの場合は、商品が解決してくれることや約束してくれることがはっきりとしていません。問題認識はあるものの、どうやって解決すればいいのかが分かっていない状態です。ですので、まずはそこを示してあげる必要があります。

例)こうして私はひと晩で記憶力をアップしました

実際、ステージ 3 と 4 は明確な区別が分かりにくく、どちらが認知度が高い・低いとは一概に言えないと思います。結局、認知度の高さではなく、見込み客が何を分かっているのか? 知っているのか? どんな知識を持っているのか? というような視点での認知度を基準に、コピーを練るということを忘れないでおきましょう。

ステージ5.
商品を全く知らない。欲しいとも思っていないし、その必要性も感じていない

この段階では、とにかくまず振り向いてもらうことに専念しなければなりません。お客さんを呼び止めて、関心や興味を持ってもらえるようにしましょう。キャッチコピーで商品を売る必要はありません。あくまでも見込み客にコピーを読んでもらうこと、まさに “キャッチ” することが唯一の目的です。

例)スキンケアについて、誰もが知っておくべき 7 つの事実

コピーは相手からスタートする

ここで言っていることは、要するに見込み客の状態から考えようということです。販売者側がメリットに思うことも、相手にとってのメリットなのか、ということを考えなければなりません。販売者側には響く言葉でも、相手にとって響くのか、ということを考えなければなりません。
多くの人は商品中心に考えてしまうので、どうしてもメッセージが販売者視点になりがちです。販売者側が「これはお値打ち価格だ!」と思っていても、見込み客側にはその感覚が伝わらないケースは多々あります。ですので、相手視点、相手の立場、相手の求めているメッセージを伝えられるように意識しましょう。

参考記事・参考文献


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