インターネット上のコンテンツは、多くが文章をメインに構成されています。文章以外にも音声や動画などもありますが、やはり文章なしにはこれらのコンテンツも作れません。
文章に苦手意識を持っている社長、事業主、ビジネスパーソンが多いようですが、その苦手意識はもしかしたら思い込みかもしれません。
そもそも、ぼくたちは小説家などの物書きになる必要はありません。そのための文章スキルは必要ないのです。インターネットを主軸としたマーケティングで必要な文章は、以下の 2 点です。
- 見込み客の興味を引くコンテンツ
- 安心・納得してお金を払ってもらうためのコピー
これらの文章を書けるようになるためには、簡単でシンプルで分かりやすい文章を書くスキルが必要なのです。頭の良さそうな文章を書く必要も、難しい専門用語を使う必要も、着飾った言葉で飾る必要ありません。
何度も繰り返し読ませないと理解できないような文章は、ビジネスの弊害にしかなりません。
ただ分かりやすい文章を、書けるようになりましょう。
このコンテンツでは、そのために必要なポイントを5つに分けてまとめています。
この 5 つを意識して文章を書けば、きっと今までより書きやすく、さらに分かりやすい文章が書けるようになり、お客さんの反応も変わることでしょう。
鉄則1. 1コンテンツ1テーマで結論をはっきりと
分かりやすい文章は、何が言いたいのかがはっきりとしています。そのために最初に結論を持ってくるとか、文章構成を起承転結にするとか、色々テクニックはあります。しかし、それよりも重要なことは……書く前に結論を決めておくということです。
実際は、書きながら結論が定まってくる、、、ということは頻繁にあります。書きながら頭の中を整理しているんですね。なので、結論がなければ書き出せないという意味ではありません。
結論がまとまれば、その他の文章はその結論を分かってもらうためにあるのです。これを意識しましょう。あれもこれもと言いたいことを複数盛り込んでしまうと、読み手は混乱し、何を言いたいのか分からなくなってしまいます。
ちなみに、このコンテンツは、全てが “分かりやすいコンテンツをつくる” という 1 つの目的を達成するための内容になっています。
ゴールを 1 つに絞るのはセールスの基本
ウェブは特に集中力を削ぐメディアです。いたるところにバナー広告があり、ニュースのヘッドラインがあり、メッセージ受信やソーシャルメディアからのお知らせが飛び込んでくる、、、。
常にあなたの注意を引きつけようとみんな必死です。
だからこそ、目的のはっきりしたページでは、関係の無い情報を排除し、伝えたいメッセージにだけ集中してもらえるようにする必要があります。見込み客に商品をセールスする、無料サンプルや資料を請求してもらうなどのサービスに申し込んでもらうためのページでは、特に意識しなければならないポイントです。
「この商品もいいですよ!」「こっちもいいですよ〜」「これはどうですか?」のように、あれもこれも盛り込まないように注意しましょう。それこそが、見込み客に取ってほしい行動を取ってもらうための最重要ポイントです。
- 結論は1つに絞ろう
- 1つのウェブページで複数の商品をセールスしない
- 見込み客へ要求するアクションは1つに絞ろう
鉄則2. 「誰に?」と「何を?」が重要
文章術で多くの人が気にするのが、言い回しや表現方法です。小奇麗で着飾った言葉、気の利いた言い回し、小説に出て来るような文章を書こうと考えてしまいます。
ですが、ビジネスで必要な文章にこれらの要素は一切必要ありません。「どんな言葉遣いにするか?」「どんな表現にするか?」「どんな文章テクニックを使うか?」ということは、二の次、三の次、四の次です。
難解な文章やは、精読率を落とし離脱率を高めます。また、相手に行動してもらうなら、内容を理解してもらい納得してもらう必要があります。「どう表現するか」に関しては、無駄に考えさせないということを意識していれば十分です。
なによりも重要な要素は、「誰に向けたメッセージなのか?」という点と、「何を伝えているのか?」という点です。
まずは見込み客が知りたいことを書く
「何を書いていいか分からない……」という悩みを解決する方法は、めちゃくちゃ簡単です。お客さんに「何を知りたいのか?」と聞いてください。
ほとんどの人は「何を書こうか?」という視点からスタートしています。それで、「別に言うことないしな〜……。」と頭を抱えてしまい、最初は好調だったコンテンツの更新が、次第に途絶えてしまうのです。
ですが、スタートはあくまでも相手です。読み手がいてこそのコンテンツです。だったら聞きましょうよ、という単純な話です。“自分が言いたいこと” ではなく、“相手が聞きたいこと” を話す。これはセールス(セールスライティング)の鉄則です。
- 自分の言いたいことではなく、相手が聞きたいことをコンテンツにしよう
- 読み手やお客さんの興味・関心からスタートしよう
鉄則3. 句読点は意味のまとまりを考えて使う
句点は「。」読点は「、」のことです。日本語の文章を区切るために使う重要な記号です。句読点の使い方を理解している人、結構少ないように思います。
子供の頃、学校では「息継ぎをするところで読点を打つ」と教えられていました。その結果、ぼくはめちゃくちゃ「、」が多い文章になってしまいます(鼻炎なので息継ぎが多いw)。
しかし、「息継ぎをするところで」という教えは間違いです。自由に好きなように打つのも誤りです。なぜなら、句点はまだしも、読点は使い方次第で文章の意味を変えてしまうことがあるからです。
例えば以下の例を見てください。
読点の無いこの文章は、「全力で」が何に掛かっているかがはっきりしません。つまり、以下のように 2 つの解釈ができてしまうのです。
② ハナコは全力で手を振っていた。
この曖昧な部分をはっきりさせるために「読点」の使い方が重要になります。① の解釈を持たせる場合は、「全力で」の後に「、」を打てば OK です。
一方 ② の解釈を持たせる場合は、「タロウは」の後に「、」を打てばいいですね。
このように、文章の分かりやすさに関係するのが読点です。意味や解釈に影響を与えない場合は、好きに「、」を打ってもいいでしょう。しかし、上に挙げた例のように、読点を適切な位置に打たないことによって解釈が分かれるケースがあります。このような文章では注意して読点の使い方を吟味しましょう。
- 文章の解釈を曖昧にしないためにも、読点の使い方に気をつけよう
- 意味のまとまりを考えて読点を打とう
鉄則4. 「一文は短く」を心がける
文章の長さに関しては「短く」を心がけましょう。本来、文章にリズムを持たせるためには、長い文章、短い文章を適度に織り交ぜた方が効果的です。
しかし、ほとんどの人は一文が長くなる傾向にあると感じていますので、「一文を短く」を意識することを強調したいと思います。
例えば……
それでおじさんに持って帰ると感謝された。
あ〜〜〜〜長い! 長過ぎる!!
この文章は、たった 2 文しかありません。息をつく暇もありません。まぁちょっと極端な例ですが、このような文章を書いている人は結構います。上の文章は、以下のように直すと読みやすくなります。
彼は、「近くのラーメン屋で売っているものすごく美味しい中華丼が食べたいんだが、迷惑客として出入り禁止を受けているので買いに行けない。お金を渡すから代わりに買って来てくれないか?」とお願いしてきた。
最初は何のことを言っているのかよくつかめず、怪しすぎるおじさんに迷惑していた。しかし、信号が青になっても先に進ませてもらえず、しつこい。それに、すぐ近くの店だったので、仕方なくお金を受け取って中華丼を買いに行くことにした。
そしたら、店の人もよく知っているらしく、「大変だね〜。もう無視してよかったのに。」とか言って中華丼を作ってくれた。それでおじさんに持って帰ると感謝された。
このように、「〜が、」とか、「〜で、」とかを、「しかし」とか「そして」などの接続詞に置き換えると、文を短くすることができます。また、上の例は改行も適度にいれて、文の固まりが3〜5行くらいに収まるようにしています。
一文が長いと、すぐ意味を理解してもらいにくくなります。一文が長くなってしまうのは、恐らく話し言葉をそのまま文章にしているからではないでしょうか? ですので、意識的に短い文章になるように心がけてください。
- 一文は短く、できるだけ「。」で区切ろう
- 接続詞を使って文を細かく分けよう
鉄則5. イメージや表で視覚的に訴える
文章だけでは分かりにくい内容も、イメージ画像や図表にして表現することで、伝わりやすくなるものです。
例えば、
「サービス内容によって3つのコースからお選び頂けます。まず、最も充実した『プレミアムコース』は、A、B、C 全てのサービスをお使い頂けて、通常 128,000 円のところを 98,000 円でご利用頂けます。B、C のみに限定したレギュラーコースは、通常 78,000 円のとろを 58,000 円にてご利用頂けます。C のみのベーシックコースは 38,000 円でご利用です。」
と、言葉で説明するよりも、以下のように表にした方が分かりやすいですよね?
プレミアムコース | レギュラーコース | ベーシックコース | |
A | ○ | × | × |
B | ○ | ○ | × |
C | ○ | ○ | ○ |
価格 | 98,000 円 | 58,000 円 | 38,000 円 |
単純に注意を引く目的で写真を使う
人が無意識に注目してしまう 3 大イメージというのがあります。
- 人の顔
- 赤ちゃん
- 動物
です。本文の内容とは関係なくても、これらの写真を使って本文を読ませることができます。
【 見出し付近にこれらの写真を挿入(いわゆるアイキャッチ)> 見出しでさらに興味を引く > 本文を読ませる 】
という流れです。
が、あまりテクニックとして使い過ぎるとサイトのイメージを左右してしまい、場合によっては「意味が分からない」と言われてしまいます。なので多用は注意です。
イメージにはキャプションを付ける
「現代広告の父」と呼ばれているデビッド・オグルヴィは、著書『「売る」広告』の中でこのように言っています。
コピーを読む人より、ビジュアルの下のキャプションを読む人の方が多い。だから、キャプションなしのビジュアルを入れてはいけない。キャプションにはブランド名や売り物、ベネフィットを入れること
人は写真やイメージの下に書かれた文章を、無意識的に読む癖があるようです。ある複数の調査によれば、キャプションを読む人の数は、ボディーコピー(本文)を読む人の数の 2 倍いるということです。
全てのコンテンツが広告的な役割をしているわけではないので、必ずしも入れた方がいいとは思いません。しかし、イメージだけでは伝わりにくいことを補足し理解度を深めることもできますので、出来るだけキャプションを効果的に使えないか?」という視点を持っておきましょう。
- 言葉で全てを説明しようとせず、写真や絵、図表を取り入れよう
- 写真や絵にはキャプションを加えよう
まとめ
最後に 5 つの鉄則をまとめておきます。
- 1コンテンツ1テーマで結論をはっきりと
- 「誰に?」と「何を?」が重要
- 句読点は意味のまとまりを考えてつかう
- 「一文は短く」を心がける
- イメージや表で視覚的に訴える
以上の 5 点は、最低限意識した上で文章を書いてみましょう。
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